本論二・若気の至りにも限度はある。

 カネミツがライジング・フリーの後輪車軸に足をかけると同時、〈ワシリーサのしるべ〉から再び警告が言い渡された。

『三〇秒後に執行権限を行使します。罪なき住民は屋内へ退避してください』

「いつでも来い、〈ワシリーサのしるべ〉……オレとライジング・フリーの最速に、ついて来られればの話だがな!!」

 オキツグの咆哮と同時、〈ワシリーサのしるべ〉から無数の子機が放たれた。

 暴走した防衛機構の停止。

 学長からの特別課題は、予想の通り少々骨が折れそうだった。