でも、それでも。 僕はその人を、漆原蒼衣と──蒼衣姉ちゃんと呼ぶ他なかったのです。 そして今日、こんにち。蒼衣姉ちゃんは誕生日を迎えます。今年は間に合いました。 何がって? それは当然、プレゼントですよ。あとは加工するだけ。 ともかく、これが、僕が持っている大事なものの話です。