第3章
「ただいま」
「おかえり、なんかわかった?」
どぅが小屋に帰ると、寝込んでいる二人以外が体操服を着ていた。
寝込んでいる二人は相変わらず、小さな呻き声を出しながら、眉間にシワを寄せ、苦痛に耐えている。
「他の人たちはスマホって機械を持ってるみたい、なんかいろんなことに使ってた。 あと町で僕たちを探してたり話してたりする人はいなかった」
いつきにそう報告しながら、露店の親父からもらったHPUPルパイを床に置く。
「美味しそう!!」
しおんが何の躊躇もなく、出されたものに手を出す。
「しおんさん食べちゃってるけどなんの変化もない? 大丈夫?」
「……なんか食べたら元気になった?」
すぐに食べたしおんに呆れながらいつきは、しおんの身体に触れて異変を確認する。
「これ食べたら元気になるみたいだね、確かに身体が軽くなったかな?」
どぅは立ち上がり、身体の動きを確認する。
「これ食べさせたら二人とも目を覚ますんじゃない?」
しおんが思いついたとばかりに余っているHPUPルパイを手に取ろうとするが、HPUPルパイは綺麗になくなっている。