第2章

 人が集まるところに出ると露店が並んでいた。

 しおんはここでこれを買ったんだなと思いながら、周りにいる人の声に耳を傾けながら、どぅは歩みを進める。

「この前のコードリファレンスでレア武器ゲットしたぜ俺」

「まじか、俺、ペナくらったんだよなそれ」

「安いよー、オシャレ装備ならレプラホーンで決まりー」

 ぐりぱー幼女の話をしてるプレイヤーはいない。それっぽい噂も出ていない。

 周りの人たちをよく見ると、しきりになにかを弄っている。

「もうこんな時間か。俺、用事あるからログアウトするわ」

 そう言った男が手に持つなにかを操作するとその場から消える。

 簡単にログアウトしたことに、どぅは自分たちが他の人たちとは違うという現実と、一筋縄では解決しない案件に顔が曇る。

「お嬢ちゃんそんな難しい顔してどうしたんだい? 困った時のHPUPルパイはどうだい?」

 どぅが立ち尽くしてるの見ていた商人は、自身の料理で作りあげたお菓子を勧める。

「いくら?」

「子供から金は取れんよ、子供をカモにするプレイヤーもいるらしいがね、好きなだけ持ってきな?」

 商人の前に並べられたHPUPルパイを六切れ手に取り、頭を下げて礼をするとその場を去る。

「お嬢ちゃん!! 落とすから、アイテムはスマホに保存しなーー!」

 走り去るどぅの背中にそう叫びながら、ヘルプでもわかる常識を叫ぶ。

 スマホなんてどぅたちは持っていない。

 施設から逃げ出した彼女たちには、自身の持ち物は存在しない。