四・五、灼熱

 俄かには信じがたい『女神』を引き受けなければならない理由が分からない。

 もしもこれが神などと言われる輩の気まぐれだとすれば、死によって覚醒するという手順も気まぐれによってもたらされたという事になる。

 ロビンは神など信じていない。信じていないが、もし存在するとしたら──

 ──殺してやる……!

 刹那、先よりも巨大な雷光がロビンに殺到した。

 複数の雷鳴は甲高い悲鳴を重複させ、しかし光速で地を穿っていく。

 僅かに触れただけでレガースが裂け、ガントレットが剥がされ、全身の装甲が朽ちていった。

 ロビンは僅かに残った腕の白銀を自ら毟り取って叫ぶ。

「ブリュンヒルド! 聞こえているのなら答えろ! なぜニーナなんだ!? なんでニーナでなければならなかった!!」

 ロビンの声はほとんど雷鳴に掻き消されていた。

 彼女との距離もまだ開きがある。

 だが、届いていなくてもいい。例え今更なにを弁解されようとも、体内から溢れ出る火焔を止める事などできないのだから。

 しかし、答えは返ってきた。


「あの娘がたまたま女神の特性を持って生まれていただけだ。他に理由は無い」


 温度の無い言葉と同時、更に巨大化した雷光、いや、巨大な光の柱がロビンに迫る。

 ブリュンヒルドの言葉に動きを停止させたロビンに光速の一撃を躱す術は既になく、強烈な光の束が炸裂──

 
「──ロビン!」


 ズダァアアアン!! と、空から降ってきた巨大な剣が大地に突き刺さり、雷撃を遮断。雷鳴とは全く別の轟音が鳴り響いた。