Code5:JOKER
不安定な試作機にこれからも乗り続けろ、と。
「旧ジョーカーであるレヴィアタン、そしてジョーカーになりえたペッシャールを失った帝国に、しばらくの間は脅威を感じないだろう。問題は、帝国の支配圏と国民の数が大きすぎることにある。脅威となるものはすぐに生まれ、油断のできない状況はすぐに訪れることになる」
切り札を倒しても、戦争に勝利するわけではない。
相手が負けを認めるまで──あるいは、認めざるを得ない状況に陥らせるまで、戦争は続く。その前に平和協定が結ばれることはごくまれで、大きすぎる力を持っている帝国が「決着をつける前に和平を結ぶ」ことはそれだけで矜持と威厳を傷つける行為となる。
故に、帝国は決して退かない。
退いた瞬間、今まで帝国の軍事力に怯えていた被支配国たちが、一斉に反乱を起こすことだって考えられるのだから。
「君たちは、名実ともに公国のジョーカーとなった。その地位を守り続けてくれ。──次の標的はファントム。帝国唯一の、潜水航空母艦だ」