どれだけ目をこらしても、AIと同調して処理速度を上げても、敵パイロットの表情をうかがうことはできない。恨み言を聞くこともない。 ただ──火球を浴びて墜ちる「かつての強敵」の姿を、ブラッドは見送ることしかできなかった。 そのときに感じた悲しみを、ブラッドは自分で理解できないまま抱え続けることになる。