第1章

「たっだいまぁ〜」

 タンクトップを着た活発な幼女、しおんが施設から逃げ出した幼女たちが隠れている小屋に帰ってくる。

 中には寝かされている幼女が二人。

 えむとなまえだ。

 施設から逃げるときにえむとなまえはスキルが扱えず、意識不明に陥った。

 このゲーム内では、HPがゼロになると強制ログアウト、二四時間ログインできないペナルティがある。

 だがここにいる幼女達は、HPがゼロになってもログアウトをすることができない。

 外と同じで痛みに耐えながら、自身のシステムが回復するのを待たなければならない。

 意識が戻らない二人を見て、しおんの顔は曇る。

「……あのさ、しおんさんその服どうしたの?」

「んっ? これ? 情報集めてきてって言われたから集めてきたんだよ? なうでヤングな人に人気な『体操服セット』なんだって!!」

 しおん以外はまともな服を着ていない。ボロ布を被っているだけだ。

 施設から逃げ出したばかりの彼女たちにはまともな持ち物はない。施設にあった布切れを被っている。

「しおんさん、私が言った情報ってそうゆう意味だったっけ?」

「大丈夫、ちゃんといっちゃんたちの分も買ってきたから!」