〇〇六
結局のところ、皮肉にも新しい情報が出たところで更に分からなくなったというのが現状だった。
しかし仮に、本当に湧いて出たとすれば。
もしくは湧く様に出すことができるとすれば。
そこまで口走ってシルベスタは馬鹿らしくなって前言を撤回する。
ただ、「鋭いっすね。上官殿、いい線いってるかもしんないですぜ」と、腕を組んで不敵に笑うロニの言動が妙に引っ掛かっていて、単純に馬鹿にされているだけなのかもしれないがシルベスタは自分の言葉を胸中で反芻させた。
このあたりで聞き込みは一旦終了。
気付けば日没から約四時間ほど経過していて、明日も壁塗りの作業がある二人は帰宅の途についた。