何故、自分は幽閉されなければならなかったのか。 何故、名は失われたのか。 理由を求める日々は、忘却した名を取り戻す日々は、まだ続く。 ふと空を見上げてみれば、煌々と輝く満月とその端々を侵食する摩天楼が視界に映る。 ――名前を探す旅、か。 思わず頭に浮かんだ言葉に、どこぞの主役気取りだと思いつつも、四年も掛かって答え一つ見いだせない自分に不甲斐無さを感じながら、マ王はデタラメに足を進めるのだった。