クリスマスの準備
クリスマスが近づくと、我々サンタクロースは浮き足立ってくる。なにせ年に一度の出番だからだ。
「まじあの髭オヤジ勘違いしてるとこあると思わね? マジで」
「わかるわー なんて言うの? 『俺、一人で頑張ってプレゼント届けてます』感出しちゃってるよね?」
「そうそう、目的地まで大量のプレゼントとデブを運ぶこっちの身にもなれって言うんだよ、マジで」
「痩せろってーの」
……今日もトナカイ小屋は雑談に花を咲かせています。昔買った、ビリーズブートキャンプどこやったかな。
「あいつさ12月になると急にやる気だすじゃんマジで」
「あーわかる、1月〜11月まで動物園とかで働いて養ってやってんのに12月になると急にご主人様気取り出すよな」
「一年ほぼニートだぜ? マジで」
「むしろ、一年で働く日が一日ってまずくね」
なんの話をしてるんでしょうか。 笑い声が絶えません。ワーキンとってこよう……
「知ってる? あいつ一年感良い子にしてたやつにしかプレゼントあげないんだってよ? マジで」
「うわー、差別とかないわー てーかプレゼント買うお金がないだけなんじゃね?」
赤い衣装に身を纏い、準備は万全です。ちょっと貯金を全額おろしてきます。
「あっ、俺許せないのまだ一つあるんだよね? マジで」
「なに、なに」
「鈴の音? あいつ、自分で鳴らすじゃんマジで」
「そーいや、鈴のついた首輪つけられるの嫌がったら自分で鳴らしはじめたな?」
「それにあわせての鼻歌ないよな マジで」
「ない! しかも超下手」
今年は、働かなくていいや……