「氷結」

 午後四時二十四分、俺の人生を左右する時間が始まった。

 夕方、学校が終わったこの時間はいつもなら部活をする生徒で騒々しい位なのだが、組織が何かしたのだろう、校舎は静寂に包まれている。

「よかったー 第一志望が第三高校になってる、あっでも私立魔法学園が第三志望に残ってるんだね……」

 きっと、俺のことを狙って何か仕掛けてくるに違いない。

「田中の親御さんは遅れてるのか?」

 ……あの組織によって俺の親は殺された。

「タイヘンだなー ちゃんと今日って伝えたのか?」

 相手が何人こようと偉大なる伝説の魔法使いを父に持つ俺には、敵などいない。

「うん、敵なんていないしね? あと、田中のお父さんはクリーニング屋さんだよね?」

 ……まさか、こいつ…… 父の裏の仕事知ってるってことは、こいつが組織の刺客?

「こいつじゃなくて先生な? あと田中のお父さんのクリーニング屋さんは仕事が丁寧なのでこの町じゃ有名です」

 くっ、父を殺ったのもこいつか……

「こいつじゃなくて先生な? いや、先生は田中のお父さんを殺ってないけど」

「言い訳なんて聞きたくない! 父から教わった秘奥義をくらえ!」

「ガスバーナならまた没収するぞー」

「麒麟の力を借りて、相手に凍てつく液体をかけ、動きを封じよ! 『エターナルブリザードォーーー』」

「キリンの氷結?? 未成年がアルコールなんてもちあ歩くなぁぁああ! てーかぬるい!!」

 俺のエターナルブリザードが無効化されるなんて……

「勝義(マサヨシ)、教室の前で待っててくれっていっただろう?」

「ごめんなさい、お父さん」

「田中、後で職員室な」