ぐり☆フラ
8月12日、夏休みということでOFF会は開かれた。
最年長の提案で離れ小島に行くことにした。
最初は、浜辺でBBQをしようとはしゃいでいたメンバーだったが、離れ小島についてからテンションをあげてる奴なんて一人もいなくなっていた。
理由は
『台風8号が日本に上陸、充分に注意してください』
台風が上陸しやがった。もぅなんて言う運の悪さだろうか。
仕方ないからかれこれ4時間、ペンションでUNOをやっている。
「ダウト! それダウト!」
「えむさんそれ違う遊び」
「飽きたよ〜 かれこれ4時間ずっとUNOじゃん 腹も減ったしそろそろ飯にしようぜ」
UNOに飽きたえむさんのため、みんなで台所に食料がないか探しはじめた。
「あれぇー BBQの材料もないよ?」
絵師のようさんが、ありえない発言をしたのでみんなようさんを見た。
「えっ、あるのはマシュマロとチョコパイだけだよ?」
「あれ? 食料調達係り誰だっけ」
「「「「あっえむさんだ」」」」
久々にみんなの声がハモった。
「えっ火に炙ったマシュマロめちゃくちゃうまいじゃん」
この発言に、俺と&君はキレた。
「肉はどうした!!」
「野菜はどうした! 主にサンチュ!」
野菜派の俺にとっては野菜(サンチュ)がないことは致命的だ。&君と一緒にえむさんに抗議を繰り返す。
「にーく、にーく、にーく!」
「やさい! やさい! やさい!」
どうやら攻めすぎたようだ、明らかにしょんぼりしている、心なしか頭のアフロも元気がない。
「いいよ、じゃぁ俺今から近くのペンションから食料わけてもらってくるから!」
しょんぼりえむさんはそう言うと折りたたみ傘を開いて靴を履きはじめる。いや、折りたたみ傘は無理だろう。
「じゃぁ、行ってくる。 俺にもしものことがあったらチョコパイ食べていいから」
えむさんアカン、それアカン奴や。
フラグやでぇ。
「うん、じゃぁいってらっしゃい、雨入ってくるから閉めるね」
姉御はえむさんを引き止めることなく、えむさんが玄関を一歩出た瞬間にドアを閉める。
えむさんのズボンの裾がドアに挟まっている。
もぅ、誰も気にしないでロビーに戻る。
ロビーに戻るとようさんが窓に食い付いて外を見ていた。
「どうしたんですか? ようさん?」
「……畑の様子が心配だからちょっと外の様子みてくるね」
ちょっ、畑なんてないですよ!
たぶん地元に戻っても畑なんて持ってないでしょ!
行っちゃった……
「夕飯どうす…… なんだ、なんだ」
突如電気がすべて消えた。
「ちょっ、なにこれなに!?」
「停電だな」
「周りの家も全部消えてるから集団停電ね」
姉御と&君はいたって冷静だった。暗くて良かった、テンパったのが恥ずかしくて顔が熱い。
「たしか、懐中電灯は外の倉庫にあるって言ってなかった?」
「じゃぁ俺がとってくるよ」
真っ先に&君が名乗りをあげた。さすが頼れる男だ。
「……俺、懐中電灯取ってきたら彼女と結婚するんだ」
そう言い残して&君は走り去ってしまった。
2時間後、電気は無事についた。
そして、ずぶ濡れになって帰ってきた三人は、姉御に玄関で正座をさせられ怒られていた。
たぶん、こいつらはフラグを建ててもケロッとして帰ってくるんだろうと思ったオフ会だった。
実際の人物、団体名は関係ありません。
これは、フィクションです。
これは! フィクションです。