無線の呼びかけに応える余裕はない。肩で呼吸をしながら、意識を繋げているので精一杯だ。緩めればすぐにでも気を失うだろう、という妙な自信もある。 地面に膝をつき、座りこんで言葉が継がれるのを待つ。 「──よくやった」 ノイズ混じりのレゾンの声を聞いて、ヴィオレは薄く笑う。全身の傷に響くような気がしたが、それでも応えようとして深く息を吸い、そのまま何も言わずに意識を手放した。