情報屋
待ち合わせをしていた喫茶店に入る。マスターと目があったのでいつものとパフェを6つ頼むと頷いて奥に消えていく。
「遅いぞ北田! レディーを待たすとは何事だ!!」
目の前の幼女に軽く頭を下げ、席に着く、同時にマスターがパフェといつものカフェ・モカをテーブルに置いて下がっていく。いつもながらいい匂いと味だ。
「むふふー わかってるねー北田、前払いって奴だ」
この幼女は、情報屋。名前は知らない、全体的にファンシーなモコモコした服を来てるくせに情報を集めるのはプロだ。見た目は背のびしてオシャレした幼女にしか見えない。
「んっ? 北田、失礼なこと考えただろ!?」
「パフェ3つ、追加で」
機嫌をそこねてしまっては元も子もない。とりあえずパフェを追加注文をしてご機嫌をとる。
「んで、今回は?」
知りたい情報を箇条書きしてある紙を差し出す。情報屋はパフェを食べながら横目でメモ確認するとポッケにしまった。
「確か…… 行方不明者が多発してるのは癒しの国ね、一定の期間で人が消えるって聞いた、もっと調べては見たいんだけど……」
情報屋は危険と対峙はしない。噂程度の物に信憑性を加えて提供してくれる。
「アニマルセラピー、主にあそこに行った人たちが消えてるの、この件はこれくらいしかないのよね…… 危険すぎるの」
「いや、場所さえわかればこっちでなんとかしてみるよ」
一瞬申し訳なさそうにした情報屋だったが、すぐにパフェを頬張ってニコニコしだす。
「あともう一つのほうだけど」
今のは、仕事の案件、今から聞くのは個人的に頼んでる案件だ。
「うーーん毎回聞かれるけど、あんまりいい情報ないんだよね、ギルド検索もアカウント検索も引っかからないんだよね『えむちゃん』も『ぐりむ☆りーぱー』も」
スプーンをくわえ何かを考えている情報屋を見ると申し訳なくなる、毎回聞くがなんの手掛かりも見つからないらしい。情報やでもなんの情報もないんだ見つけるのは難しいんだろうが、絶対見つけ出してやる。まってろ小林……