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報告。
総務部庶務七課・多面担当シルベスタ・ガフ、同所属ロニ・ヴァルフォアが就いた失踪事件解明の任においての活動状況を報告する。
容疑者確保メイソン・ジョーンズを確保。
住民を山羊に変え、外壁を消耗させ、耐久年数を大幅に削っていたと思われる。
同時に、バーミッドグロウ塗装、グランツハウス、ホームタイム・インクの三社の経営者も山羊に変え、建築業界に多大な損失を出しているものと思われる。
また、山羊に変貌した者はもとに戻る術がなく、死亡するまでそのままであるとメイソン・ジョーンズは供述している。本人自身にも変身能力があり、人の身体を保ったまま獣の力を使う事ができるので監視の際は厳重な注意が必要と思われる。
その他、余罪の余地があり、追って報告するものとする。
追記、外壁補強の外部委託についても採用基準を見直す必要があると思われる。または廃止。
「はい、おつかれーおつかれーおつカレーパン」
初老の小太り係長が、電波満載の報告書を読み終えて判を押す。
「おつカレーパンっす」
ふざけた敬礼をしながらロニ。
はす向かいの席にシルベスタはいない。
シルベスタは現在入院中。ほぼ全身の骨を折っているとかで退院まで二ヶ月はかかるとロニは病院の主治医から聞いた。
「しかしロニ君、お手柄だね〜」
「恐縮っす」
だが後味は悪い。
山羊にされた夫人と作業員のことだ。