魔力を糧に生きる精霊が、
人から魔力を得る代わりに力を貸すことを約束する──
精霊契約。

人間にとって、魔力は生命維持に必要のないエネルギー。
故に、精霊契約を断る理由は、人間には特に存在しない。

しかし、青年リッキーには、精霊契約を拒む理由が、
断るに足る過去があった──

『バカでもわかる』シリーズ

ぐりむ☆りーぱーがおくる、
剣と魔法、精霊と契約が交わるファンタジー、開幕!


バカでもわかる精霊説明書  バカでもわかる魔法剣講座

STORY

山小屋暮らしのリッキーは、ある日から
朝早くに起こされる迷惑な日々をおくっていた。

毎朝訪れる桃色の髪を持つ幼女は、精霊。
幼女はリッキーの持つ魔力を得るために契約を迫るのだった。

その日もリッキーは拒絶したのだが、
代わりに貯蓄していた食料を食べられてしまう。

山を下り、都市国家アザリアを訪れたリッキーは、
食料の補給を行ったもののさらなる騒動に巻き込まれてしまい…。
 →『バカでもわかる精霊説明書』


CHARACTER


 人里離れた山小屋で暮らす青年。
 狩りなどをして生計を立てている。
 近くにある都市国家・アザリアへは野菜を買いに行く程度。
 膨大な魔力を有しているらしく、精霊から契約を持ちかけられることが多い。


 幼女の姿をもつ精霊。
 ある日からリッキーに契約を迫るようになり、
 早朝から家を訪れては追い払われる日々。
 リッキーにこだわる理由があるようだが…?


 アザリアに住む闇医者。
 普段は理知的だが、リッキーが絡むと(互いに)敵対的なせいか、
 顔を合わせるたびに喧嘩している。
 様々な分野の医学に精通し、闇医者でありながら患者には権力者も多い。


 アザリアの南門を担当する門番。
 リッキーとイアンの喧嘩を止められる数少ない人物であり、
 リッキーの住む山小屋から最寄りの門を任されている。
 都市内にファンクラブがあるという噂も。


 アザリアを訪れた王都の使者。
 王都が各都市へ配分する追加予算の裁定を行う使者として来たが、
 その裏には個人的な目的を持っているようだ。


WORLD

人と精霊が共存する世界。
かつて精霊契約は特権階級のものとされていたが、
とある王が戦力増強のために一般階級にも開放して以降、
人と精霊との距離は次第に近くなりつつある。


 魔力を糧とし、精霊魔術と呼ばれる異能を操る。
 ティアのような人に近い形のものもいれば、獣型、
 それらが混ざった獣人型も存在する。
 普段は魔力の多い土地で暮らすが、己に合う波長の魔力を持つ
 人間が現れた場合、赴いて契約を求めることがある。


 精霊が使う異能。契約により、人も使うことができる。
 精霊ごとに得意とするものは異なり、
 風を刃のようにして武器として使用するものや、
 骸骨といった使い魔や、多種多様な武器を召喚するなどがある。
 人が使う場合、契約した精霊に害をなさないための制約が課される。


 山間の都市国家。
 近郊に鉱山を持ち、発掘で栄えているが、
 二十年前には近隣で噴火が起きる災害があった。
 とある事情により、財政難に陥っている。